2人の堕落した男の物語
町田康さんの3冊目の本!
告白が面白かったので買ってきました。
町田康さんはダメ人間を書くのが上手くて、告白の主人公、熊太郎を思い出しました。
根っからの悪ではないんですよね。(いい人でもない)
金がない、仕事もない、うるおいすらない無為の日々を一発逆転する最後の秘策。それはメルヘン執筆。こんな〈わたし〉に人生の茶柱は立つのか?! あまりにも過激な堕落の美学に大反響を呼んだ「夫婦茶碗」。金とドラッグと女に翻弄される元パンクロッカー(愛猫家)の大逃避行「人間の屑」。すべてを失った時にこそ、新世界の福音が鳴り響く! 日本文藝最強の堕天使の傑作二編。
引用 新潮社
どちらの短編も怠けもので、仕事を転々としている男が主人公です。
ダメなところがある私はほんの少し共感してしまう部分もあります。
真面目な妻との敬語での掛け合いが笑えた。
夫婦茶碗も人間の屑も、この堕落した生活を打破すべく行動するけど、
やっぱ堕落しているからすぐ挫折しちゃうんですよね。
「人間の屑」はどんどん主人公が狂っていく姿が描かれています。
主人公は怠け者で人間の屑だけど、その中にも小さい良心は存在していて、
野良猫の世話をしたり、猫の助けたりするのが妙にリアルだった。
最後のささやかな抵抗が良かった。