金色機械のあらすじ
時は江戸。ある大遊廓の創業者・熊悟朗は、人が抱く殺意の有無を見抜くことができた。ある日熊悟朗は手で触れるだけで生物を殺せるという女性・遙香と出会う。謎の存在「金色様」に導かれてやってきたという遙香が熊悟朗に願ったこととは―?壮大なスケールで人間の善悪を問う、著者新境地の江戸ファンタジー。
金色機械の感想
単行本ですごく分厚い本だったのですが一夜で読んでしまいました。
この物語は様々な人物の視点をかえて描かれています。
主人公は2人です。
1人目が遊郭のトップで人の殺気を目で見ることがでる熊悟朗。
2人目が触れただけで生物の命を奪うことができる少女、遥香。
その他に女を攫い盗みも殺しもする、ならず者の巣窟「極楽園」。
周りを取り巻く人々が複雑に絡み合いながら物語は進んでいきます。
物語が進むにつれてどちらの主人公でも登場する人類を超越した力をもつ
金色の機械が登場し物語は一つに集結します。
時代物×SF×ファンタジーという一見交わらさそうなジャンルがちゃんと
纏まっています。
しかし今までの恒川光太郎さんの本とは印象が違いました。
風の古道、美丘、秋の牢獄のように異世界に迷い込む事もないですし、幻想的な感じよりも機械が出てくるのでSF感が強く感じました。